ノルウェー大使館を視察させて頂きました。
7月22日、広尾にある駐日ノルウェー大使館で、クリスティン・イグルム大使と、ジェンダー平等や福祉をテーマに懇談会を持ちました。
ノルウェーの政治や選挙について何冊も著書を出し、ノルウェー国王功労勲章を受章した三井マリ子さんのイニシアティブで実現しました。1年半前、徳島市で大使の講演会を開催した徳島県内の議員が、「次は私たちが訪問したい」とつぶやいたのがきっかけだそうです。

会議室で、おいしいコーヒーとお菓子をいただきながら、終始なごやかに時がすぎました。三井マリ子さんと大使の政策アドバイザー廣江未希さんの通訳あればこその貴重な時間でした。
徳島県会議員東条恭子さんは、1年半前の大使講演の後、女性議員増が必須とのムードが広がって、徳島県内の市町村議会すべてに女性が当選し、「女性ゼロ議会」がなくなったと報告しました。徳島県美馬市議の田中みさきさんは、「美馬市は、女性議員30%を達成した」と喜びを語りました。田中さんは、ノルウェーの平等や福祉がどう地方に根づいているかを知りたくて、もうすぐノルウェーに出かけるそうです。
立川市議の原ゆきさんからは、出産をした女性議員がオンラインで会議に参加することが可能になったという報告がありました。私のいる東村山市議会も、初の女性議長が誕生しました。また議会運営委員会に、一人会派が全員入る公平な会派構成に変わりました。

その後、大使自ら、大使館内を案内してくださいました。ウッディなホールに入ると、日本の織物をイメージしたタペストリーに目を奪われました。日本の伝統美とノルウェーのデザインが融合した嬉しい空間でした。
素敵なプールを過ぎて、大使公邸にはいると、画家ムンクの絵画が何枚も壁に掲げられ、まるでムンク美術館のようでした。
大使はピアノの上にある、日本の工芸品を手にとって「これは青森に行ったときのお土産です」と言いました。三井さんが「青森県は、『女性ゼロ議会』が日本で最も多く、候補者を探し続けてきましたがいないのです」と苦労話をしていたことを思い出しました。
バリアフリーなスロープに、インクルーシブさを垣間見、日本の中のノルウェーを実際に訪問できたことに幸せを感じました。
大使との懇談で、「皆さん、日本のジェンダー平等は進んでいるでしょ」と大使が私たちに言いました。
すかさず私たちの多くは、「そうとも言えません」と言いました。というのも、衆議院議員定数の比例区部分が削減される案が政権与党から出されているからです。
三井マリ子さんの著書『さよなら!一強政治』(旬報社)にあるように、多様な政党が国会に進出して、多様な人たちの声を政治に反映させることが大切だと思いました。それには、「小選挙区制中心」の選挙から、「比例代表制中心」の選挙に変えること。どんなに困難であっても、この改革があって初めて、一票がドブに捨てられることのない「死に票のない」選挙になり、女性もハンディを持つ人がごく当たり前に政界に進出できるようになるーーこう三井さんは言います。
ノルウェーなど北欧諸国は国も地方も比例代表制選挙です。日本で衆院の比例制を削減されたら、ますます女性議員が少なくなるのではないかと私も危惧します。
まずは、市民の声なき声を議会に届ける役割を変わらずに果たしていきます。



白石えつ子(東京都東村山市議会議員)
