5/10 文京区柳町小学校を視察。学校は「小さな社会」と捉えている。


50年前から障害あるなしに関わらず、共に学ぶ教育環境を実践し、インクルーシブ教育システム地域指定校文京区柳町小学校を視察。
国連が進める本来のインクルーシブ教育をどう進めてこられたのかを含め、伺った。
 学校は「小さな社会と捉えている」との言葉が印象に残った。
通常学級を希望すれば障害児も共に学び過ごす環境が用意されている。手厚い支援が必要な場合は、支援員が付く制度もある。
国語や算数、道徳は特別支援学級で学ぶ。個別の支援計画に則り、保護者と支援級の教員が密に連絡を取り合い、家庭と学校が手立てを共に考えている。落ち着かない場合の対応もチームで動いている。包括的な連携がある。
田植え体験も東京ドーム内にあるなど、都内でありながらも体験学習も盛り込み、経験値を上げる工夫も充実している。卒業生が地域で学校を支えている環境も子ども達が安定的なバックボーンとなっている。愛されて育つ子ども達は、偏見も少ないように思うし、障害のある子ども達への手の出し方も適切でした。
日常的に障害あるなしに関わらず、共に学ぶ環境があることが、お互いを受け入れる相乗効果につながっている。交流・共同学習支援員配置のための独自のガイドラインも設け、人員確保と育成にも努めている。有償ボランティアであるバリアフリーパートナーも配置できる仕組みもある。通常学級の特別支援教育支援員は区が募集し、学校に配置している。
一例/理科の授業のフォローは、学級担任+2名の手厚い基準がある。これは区の独自講師制度があり、学校要請により派遣、教員免許は必須としている。インクルーシブ支援事業は、星山麻木先生や宮崎政憲先生のフォローを頂きながら、進めているとのこと。
東京都教育ビジョン、教育振興計画を基本に、学校行事を策定している。子どもの興味関心、学習意欲を高める。交流・共同学習の充実を目標に掲げている。幼・保連携では、難しい子がいる場合は、学校に入る前に現状把握し、ミニミニ模擬練習も用意し、安心して学校生活が送れるよう配慮している。同校を卒業した地域の保護者が関わることで、土曜の補習やサッカー教室などを企画し学びを選択できる環境を提供してもらっている。地域の夏まつりの会場に貸し出すなど学校をコミュニティ開放を提供している。朝顔市にも子ども達が率先して参加している。
 ただ一緒にあるだけの統合教育インテグレーションではなく、多様性、包摂性が根底にあるインクルーシブ教育を通常学級で行うのは、簡単ではないと理解しました。
 あらゆる節目に分けられる環境にある障害児。障害を自己責任とする医学モデルから、社会の側にある障壁を共に崩し、社会モデルへ。引いては世界の潮流である人権モデルへと進んでいくためにも今回の視察を生かせるよう、これからも当事者、保護者の声を基本に、問題提起していきます。
 視察対応くださった内田校長先生、安藤副校長先生、高橋指導主事、有難うございました。
 
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