5/5 環境再生医矢野智徳さんの活動を追った「杜人」鑑賞!

「杜」とは、この場所を「傷めず 穢さず 大事に使わせてください」と人が 森の神に 誓って 紐を張った場

5/5は、環境再生医矢野智徳さんの活動を追ったドキュメンタリー映画「杜人」やっと観られました。
前田せつ子監督の舞台挨拶も聴くことができました。

矢野さんの孤軍奮闘に理解者は増え、全国の大地再生に奔走され、人と人を繋ぎ、樹木や生き物を救う直向きな姿は、尊敬に値します。
静かに怒りを湛えながら、時には優しく、時には厳しく言葉を選んで対話する。誰もが夢中になってしまう人徳が矢野さんにはあります。大地の声に耳を傾ける行為は、自分の声を聴く瞬間でもあるなと!

地域に過去にはあった結(ゆい)のつながりも、依存型でなく助けたり助けられたり、お互いが力や知恵を出し合える仕組みがあれば、命を育む土地を大地を守っていけると感じました。

大地も人間と同じように息を吸って吐く呼吸をしている。水と空気の詰まりを生み出す公共事業による経済優先の傲慢な犠牲が水脈を断ち、歪んだ大地があらゆる場所に。水の流れを空気の流れを妨げているのは紛れもなく人間。

コンクリートで固めた砂防ダムやU字溝が水や空気の流れを遮断し、大地が堪えきれず、水が暴れてしまう。

これは、グライ土壌が原因。空気や水が循環せず、有機ガスがこもる土の層が広がると、小動物に限らず、生態系循環不良が全国に出来上がっている、成人病のように!

水や空気の流れを竹や枝葉を編み、竹炭で施していけば、大地も息を吹き返し、暴れを止め、静かになる。
道は直線でなく蛇行させる、これは水や空気が渦を巻くから。宇宙の渦流のエネルギーを受けているからだと。至極当たり前を教えられた思いです。

東日本大震災により矢野智徳さんの大地再生は見直されています。更に2019年の風水害により甚大な被害を受けた岡山県真備町にも足を運び、関節部分の点穴を、蟻地獄の穴を開けて水を逃す道を施す。そこにあった道を共に授けていく。まさに環境再生医です。

矢野さんの言葉で一番印象に残ったのは、「環境をきれい事で色塗りされてきちゃった。命が失われる状況を再確認できない。仕事を超えて、草の根のように、持久戦で勝負するしか立つ瀬がない」
SDGsの持続可能な開発目標を地球規模で達成するには、なぜ植物は枯れるのか、生き物が育たないのかと向き合いながら、共に生き合う命の再生こそが肝心だと理解できました。

経済あっての環境でなく、環境あっての経済が循環する方向にシフトしていく。生きとし生けるもののいのちを奪って生きている私達人間に課せられた役割です。

日本の国土強靭化計画改定により、自治体の災害計画も見直しがされています。この映画はその計画をグリーンインフラの大切さに立ち帰り、生物多様性や里山保全につながるものとなるのかの気づきを与えてくれています。

農地で当たり前に使用される農薬や化学肥料が、肥沃な土地を痩せさせている現状があります。化学物質が土壌に染み込み地球温暖化にも拍車を掛けています。大人が便利さを追求したために汚してしまった地球環境にも目を向けていかなければ、未来の子ども達に、安全で安心な地球環境を手渡すことができません。

今や有機農業の割合は、0.5%です。農薬や化学肥料を使う慣行栽培が99.5%を占めています、でも、まだまだ伸び代はあります。有機野菜中心の学校給食に変えていくのも重要です。血を作るのは紛れもなくタネから育つ食べ物です。血の流れを妨げる可能性が高い遺伝子組み換えやゲノム編集食材など、食を選べない子ども達の食環境を守るためにも併せて訴えていきます。

自然を見渡せば、ありのままの姿を持続するために、大地は不断の努力を重ね呼吸しています。私達も自然の一部として、今だけ良ければいいの生活からさらに謙虚に生きる術を見つめ直す時です。その覚悟をこの映画は私達人間に問うています。身近な場所から大地再生に同じ思いの仲間と共に、子どもや若者も巻き込んで小さなコミュニティを形成し取り組んでいきたいと思います。今や気候危機は待ったなしです!

皆さまもぜひ、劇場で大地の声なき声を聴いてください。

#杜人 #気候危機 #環境再生医矢野智徳 #前田せつ子監督