2/23「学校がゆがめる子どもの心」


生活クラブ運動グループ東村山地域協議会企画
今年の活動テーマ「子どもの権利を守る」学習会を開催
テーマは「今、学校の道徳教育って⁇?」
講師に、公立小学校教員宮澤弘道先生をお迎えし、
リアルとオンラインで行い31名の方のご参加でした。
ありがとうございました😊

特別の教科「道徳」が始まって4年。
いつの時代も必ずあった道徳の授業。
道徳の教科書はない中で、お互いの意見を認め合いながら、行われてきた背景があります。
しかし、今は、道徳専門の教員がいない中で、すべての教員が教えることができる特別の教科になっています。

時代背景を考えると、特別支援教育の答申が文科省から出された頃から、通常学級での分離が始まっていたのだとわかります。学校も鍋蓋型の校長がいて、教頭がいてみんな平な関係で教員の方を向いていたのが、今や統括校長、校長、副校長とピラミッド型へ変化しています。教員も超多忙を極め、働き方も問題になっています。

特別支援学校義務化から、障害児学級が固定の知的特別支援学級へ名称が変わり、新たに、特別支援教室、自閉症・情緒特別支援学級(固定学級)の開設により更に分離が加速。通常学級には、定型発達の子ども達だけになっていく環境を無意識に受け入れていないでしょうか。

いろんな子ども達が居るから、多様性が保たれるのに一緒にいないと気づけない。これってお互いに不幸なことだと思います。

道徳教育の世界とは、
障害者の描かれ方が、障害者はいい人、卑屈なまでにお礼を言う。障害を自力で乗り越えてきた人などなど。障害を克服できない方も存在します。
障害あろうがなかろうが同じ人間。
障害者が健常者を超えると、障害者のくせにと、
見下す人も存在する。優生思想が潜んでいると感じます。その差別する心に目を向けるべきなのに、そこには触れない。

道徳の教科書では義務と権利が両天秤で表されています。子ども達は、教科書は正しいものと受け取り、誤った理解をしてしまう恐れがあります。
子どもはオギャーと生まれたことが、意見表明になる。学校や大人が子どもを信じ意見を言える環境を作っていく。主権者としての意見をしっかり聞くことが大人に求められている。子どもは権利の主体、子どもの最善の利益と意見表明権はセットで考えるべき。

道徳的大義は時代により変わる。
道徳を学ぶ内容が、時の権力者により変わるのは危険。

構造的に上下関係で支配される仕組みを作ってしまった特別の教科道徳。
全教科に道徳的な視点が入っている。
自然環境に寄与した教育を培うなど健全でなければならないことが要求されている。

道徳の教科書にある代表的な物語として、
手品師→正直・誠実
ブラッドレーの請求書→家族愛
るっぺどうしたの→ 節度・節制
東京大空襲の中で→生命尊重
2通の手紙→遵法精神・公徳心
物語の最後の目当てに引きづられないように
中断読みをする工夫などが必要。
結末を知らないと自由で多様な意見が出てくる。
他の意見と違う場合、合わせるために、同調圧力がかかり、一つのゴールを目指すことになっているのが現状。

特に戦争を題材にすることの危険性、究極の中でも、清く正しく生きることにスポットを当てている。東京大空襲自体が、戦争がなければ起きなかったこと。戦争が何故起きたのか史実を説明していない。美化してはいけないものが戦争。絶対に始めてはいけないのが戦争!

今や、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始し、
多くの尊いいのちが犠牲になっています。
戦争はごく一部の軍事産業など特権階級の人達に
だけ利益が流れる仕組み。
いつの時代も何の罪もない一所懸命に生きてる人達が犠牲になるのが戦争。
敵も味方もわからなくなるのが戦争。

戦争として顕在化するには、網の目のように綿密に仕組まれてきたものがあったのではないかと思うと、人権教育は重要ですが、道徳の視点で人権を扱うのは無理があると感じます。

内奥の心を評価する仕組みは、子どもたちにあらゆる授業を評価させにくい環境に置いています。自ら考え想像することは生きていく上でとっても大事な営みです。

障害があっても無くても共に学び、生きる環境が当たり前にあれば、それこそが、お互いの人権を尊重するインクルーシブな学校になっていくと思える学習会でした。

宮澤先生、貴重な道徳の授業ありがとうございました😊

次回はリアルでもできるように、新型コロナウイルス感染症の終息を願うばかりです。

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