9/8「ひとりひとりを大切にする教育とは」 〜子どもの権利とともに〜
小金井市で行われた講演会。
前半は、前川喜平さんの講演、
後半は、前川喜平さん、学芸大 大森先生、
公立小学校教員宮澤先生のクロストーク。
前川喜平さんが危惧するものは、政権が教育の実権を持ち、政治の力で教育勅語を復活させようとしている。
個人の尊厳よりも国家が優先されることは、大問題!
超国体主義は、国家、民族が先。
国に忠誠心を誓う臣民を育成、忠誠心という倫理観を植えつけていく。
大きな家が国家、小さな家が家族。
戦前に戻そうとする力が台頭している。
1930年代に回帰している。流れが似ている。時代は繰り返すもの。こんなはずではなかったでは遅い。
忠誠心を植えつける倫理観を愚劣だったと気づかない人達が権力を持った。
中曽根政権時代改憲には、まず教育基本法改正が先。そこで、設置されたのが、臨教審。
教育の自由化の議論重ね、「個性重視の原則」を再確認する結果になった。
これは、「自ら学び続ける力を保障するもの」生涯学習体系への移行を表している。
学習者の主体性は、他文化共生やAIを使いこなすことを導きだし、狙いとは違う形になった。
第二次安倍政権で、教育再生実行会議が立ち上がり、道徳の教科化がなされた。
道徳は、他の教科と同じように免許状は作れない。子ども達が道徳を学ぶ前後の成長を数値でなく言葉で記述式でおこなうことにもムリがある。
教科化以前にも道徳の授業はおこなわれてきた。子ども達の意見は否定しない、多様な意見を出しあい、認め合う姿勢があった。
教員は、みんな真面目で一所懸命なため、教科化になり、同じ意見でない場合、一緒になるように誘導、説得してしまう。
道徳の教科書には、自己主張はだめ、わがままをするな、決まりに従えなど明らかに過度なものを植えつける傾向がある。
障がい者について
障がい者はいい人で、助けてもらったらお礼を言う人で、障がいは乗り越えるものとされている。障がいを誤った理解に繋げてしまう恐れがある。障がいの有無に関わらず一緒に育ち合う環境は、すべての子ども達に取り大切な学びになる。
教員は、子ども達の良いところを見つけて誉めてあげればそれでよい。
道徳に対する教員の倫理観も問われている。
道徳の教科書は目当てが明確に示されているから教えやすいと捉えている教員が大半。これは言い換えれば、真面目で一所懸命な人達が一番コントロールされやすいのではないか。
しなやかで柔軟な子ども達の感性に気づけるのも道徳。そのまま受け入れず懐疑心を持つことも大事。
多様な子ども達を、型にはめずありのまま受け入れている大阪の大空小学校は、インクルーシブにしようとした訳ではないが、個人の違いに合う対応を考えたらそうなった。保護者も地域も巻き込んできた。違う形をすべて包み込む大きな風呂敷が学校には必要。
人間はみんな違うのが当たり前。ごちゃまぜが一番。これこそひとりひとりを大切にする教育になる。
個の重要性より、集団行動を植えつけ、集団を重視している。
今の義務教育は、定型発達の子だけを対象にしている。個人の尊厳はみな同じなのに、社会で役に立つか選別している。生産性がない人は、排除されていく。分離が加速している。
命に格差はないし、ひとりひとりの人権、学習権も教育権も公平に与えられている。みんな一緒に育ち合えばおんなじ人間だってことにいきつくと私は思います。
会場内は、熱気に溢れていました。
話を聞きながらメモをとる人、同感と頷き時おり拍手が起こったりと、自由な精神を持つ人と大森先生が評するように前川喜平さんの気さくな話しっぷりに引き込まれました。現役の宮澤先生は、個人の内面に介入し評価する道徳の教科化に反対し、定期的に勉強会を継続し様々な立場の方々と対話し、課題を浮き彫りにしています。
おかしいことをおかしいと発言し続けることの難しさはありますが、ここに集まった人達は、少なくともこのままではいけないと危機感を持ち合わせていると感じました。
これまでの歴史を振り返ると、生活と政治を切り離して考えてきたのではないでしょうか?確実にじわじわと生活の中に入り込んでいくのが政治なのにも関わらずです!
政治は関係ない、権力者任せにし、情報弱者のままでいると、そういった人達にこそ、しわ寄せがいく構図になっています。
権力のある人達は、責任も取らず、想定外だと言い逃れ、罪も問われず平気で嘘をつき続けています。
こんなことで、子ども達がまっとうな人に育つのだろうか?
私はこんなに生きにくい社会で声を出せない人の声なき声に耳を傾け、足元の政治を変える力になりたいと感じ、同調圧力に屈することなく、動いてきました。
無償の教育の権利も国が憲法で保障していながら、充分果たされていないとも感じてきました。
今回の成果と課題を回りに情報発信し地域のみなさんと政治を横に置かずに自分達に降りかかるものとして、今やるべきことを模索し、対話重ねていきます。
本来のインクルーシブ教育を、子どもの権利の視点からも、当事者はもちろん、対局にいる方々とも議論していかないと解決策には辿り着けないとも思いました。
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