学校を変えれば、社会は変わる! フェミニズム教育と性教育の観点から迫ると社会構造を変えるための課題が見えてくるの対談に参加


8/1
19時からは、こちらの講座へ。
細野さんと沼田さんをお誘いし一緒に参加。

女なのにと、二重矛盾の中で、制限されているのは、無意識な性差別を語ってこなかったからだと。学校にこそ、フェミニスト・ペタゴジーが必要。フェミニズムから、矛盾を取り去っていけると、池田賢市先生と虎岩朋加先生の小気味良い語り合う姿に、時間があっという間でした。お二人の著書も購入。包括的性教育を始める前に、社会の側の性教育を変えていかないと、刷り込みは中々意識が変わらない憲法と同じ構造です。
性教育に潜む政治性にも目を向けないとですね!

以下に講座のコンセプトが語られています。ご参考までに。
学校を変えれば、社会は変わる!
フェミニズム教育と性教育の観点から迫ると社会構造を変えるための課題が見えてくる

虎岩朋加
『教室から編みだすフェミニズム―フェミニスト・ペダゴジーの挑戦』(大月書店)
×
池田賢市
『包括的性教育をはじめる前に読む本―社会を変える性教育』(新泉社)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

7月に新泉社から池田賢市さんの『包括的性教育をはじめる前に読む本―社会を変える性教育』が出版されました。

虎岩さんは昨年10月、学校現場にフェミニスト・ペダゴジーを取り入れることで強固な学校規範を変えられると論じた著書、『教室編みだすフェミニズム―フェミニスト・ペダゴジーの挑戦』を大月書店から出版されました。

今回のトークイベントでは、教育学がご専門のお二人に、なかなかジェンダー平等が実現しない日本の現状を変えるためには、どうすればいいか、それぞれの著書を踏まえながら、話し合っていただきます。

1999年に男女共同参画社会基本法が施行されてから35年が経ちましたが、日本社会はほとんど変わっていないように思えます。いまだに選択的夫婦別姓制度すらできない状態をみれば、同性婚が認められる日はまだ遠いのではないかと思わずにはいられません。社会が変わらないのはなぜなのか? そこには、強固な学校文化の影響があるのではないか?

学校は無意識のうちに、性別二元論に基づいた家父長制と男性優位の社会規範を、子どもたちに教える場になっています。そしてその教育が、差別を生み出す構造の再生産に一役買ってしまっています。

だったら、学校を変えれば、社会が変わるのではないか。今回はそんな大きなテーマで話し合います。学校文化の問題点について、お二人と大いに語り合いましょう。

池田賢市さんからのコメント
今年の日本のジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム発表)は、156か国中118位。この数字を示されるまでもなく、日本には、「性」をめぐるいくつもの差別状況が存在しています。ところが、「自分は男女平等を常に意識しているから問題はない」とか「自分で選択して女性らしい生き方をしているのだ」と語られることで、差別問題が個人化される傾向にあります。しかし、それは、社会構造の問題なのです。「男」による支配構造の中で思考が枠づけられているために、マジョリティであることが身体化されている者には、その差別は見えない。まさか自分が差別に加担していたとは気づかない。あるいは、なんか変だと気づいたとしても、きっと自分の方に問題があるのだと思ってしまう。では、この「構造」をどうすれば変えていくことができるのでしょうか。

今回のトークイベントでは、フェミニズム・ペダゴジーと包括的性教育という2つのアプローチからこの問題に迫っていきます。いずれも、性をめぐる問題の「政治性」に着目し、その権力構造の再生産に学校が大きな役割を果たしているととらえています。つまり、その学校を変えていけば、社会構造のあり方も変わっていくはずなのです。物事の認識の仕方が変わっていくはずなのです。では、どう学校を変えていけばよいのか。このことを、日常生活や学校の中での具体的な言葉や出来事を注目しながら、考えていきます。

虎岩さんコメント
フェミニスト・ペダゴジーは、偏ったイデオロギーに基づいて洗脳を試みる偏向教育ではありません。私たちを「自由」にする教育です。何から? 差別を生み出す構造に参加してしまっている私たち自身からです。性別役割やジェンダー・ステレオタイプやジェンダー・バイアスがしみ込んでいる私たちの意識からです。この意識が、私たちの「自然な」感情や、「自然な」ふるまいや、「自然な」考え方を生み出しています。だから、差別を生み出す構造は変わっていかないのです。差別は「あの人」の問題ではない。差別を生み出す構造にはみんなが参加している。フェミニスト・ペダゴジーはこのことに気づかせてくれる教育の方法論です。学校でこそフェミニスト・ペダゴジーが必要です。学校から社会を変える、この希望に満ちた取り組みをみなさんと共有していきたいです。