対話でつながりを!精神科医森川すいめい氏の軌跡

「鎧や兜を脱いで、ありのままの自分で」

ホームレス支援をする精神科医森川すいめい先生を取り上げたNHKの番組を観た感想です。言葉を選びながらとつとつと話す姿に、静かな怒りと優しさを感じました。育ちにより差別や偏見を生まない社会を実現させたい思いに触れることができた貴重な時間でした。

池袋でホームレス支援をする中で、相談に来る人は、様々な事由があるが、目立つのはコロナ禍でも問題になっている貧困ビジネスに引っかかってしまった実例も。行政に紹介された先は、タコ部屋。狭い部屋で不衛生な生活を強いられていた。

自立へ向け就労支援もあるが支配された関係性は変わらず、生活保護費はほぼ巻き上げられてしまい劣悪な環境に耐えられず逃げ出してきた人。弱者を狙う、戸籍や仕事がないことに自立できるの甘い言葉で誘い、そこに漬け込む悪徳事業者を生んでしまう社会構造を変えていかなければと感じます。

屋根のある住まいを用意するため、アパートを借り上げるハウジングファースト支援もされています。貧しい環境で育ちホームレスになると、選択肢はない、自分がダメだからと攻めてしまう気持ちが強い。でも、住まいが決まると支配の構造から抜け出せたことで、その人がキラキラしてくる。救われた人の笑顔は何よりの喜びですね。

アパートで自立生活をしている方が、今では、炊き出しボランティアの中心的な役割を担っています。

住まいは人権ならば、住宅を借りにくい立場の住宅確保要配慮者(高齢者・障害者・ひとり親・社会的養護にある若者達・外国籍の人達)への公的な支援の仕組みが急務です。空き家対策はあっても、居住支援は進んでいない現状があります。

森川すいめい先生が、ホームレス支援をする影には、幼少期からの壮絶な過去が、暴力、虐待の中で武術家の父親にぶたれない日が1日しかなったのを覚えているの言葉に胸が痛みます。

理不尽でうまくいかないと暴力を振るう、自分のプライドを傷つけたら必ず子どもを殴る。支配の構図、奴隷と同じだった。いじめにも会い、学校も行かなくなり、家を出て外で過ごしていた時期もあった。

父親から最も暴力を受け子どもたちをかばってくれた母親が末期の癌になります。母親が亡くなる時に遺した一言。「すいめいは優しくない」実は母親を傷つけてきた。

そんな自分のことが許せないし、大嫌いだった自分をクリアしたのではなく蓋をしてきた。そうでないように振る舞い生きてきた。

人間対人間でなければいけないのに、そこから消えてた。その人から逃げているのではなく自分から逃げていた。

オープンダイアログをヘルシンキで体験した時、最後に自分の家族のことを話してと言われて母親の最後の一言に蓋をしてきた自分と向き合わなければならない。今、私は自分を許しますと言えた。

「I for give me」

今は、そんな自分を嫌いなまま置いておける、ちゃんと人間対人間になれてる。緊張しなくなった。逃げなくなった。

今回、新型コロナ禍で住まいや戸籍を失うことが誰にも起こりうることと気づけたことは良かったけど、こんな政権だしと安倍政権批判もあり、森川先生だと攻めてる感や嫌味はないのですが、静かな怒りがあります。

ホームレスから立ち直っても新たな人が生まれてくる。新しいタイプの野宿の人が出てくる。話しを聞いちゃうから距離が縮まり終わることはない。

「だから、ここにいる」

ホームレスの方々を長い旅をされた仙人みたいな私の先生ですと歯に噛む精神科医森川すいめい先生。

20年以上に渡る支援には、愛がある、ありがとうの言葉が自然に交わされています。

東村山市にも、森川すいめい先生の講座を開き、多くの他職種の人達が集まりました。オープンダイアログの精神療法を取り入れ、生き方を何回でもやり直せるリカバリーの手法も知ってもらえるよう対話を大事にしていきます。

#何かはきっとできる