「今からでも学びたい」を実践する夜間中学の存在
夜間中学とは、様々な理由により、義務教育を修了できなかった人、不登校のため学校に通えなかった人、日本で義務教育を修了していない外国籍の人などを対象にすべての課程を修了すれば中学卒業となるものです。
平成29年度夜間中学は、全国に8都府県31校設置されています。東京都内には、現在8校あります。先日、多摩地区唯一の八王子第五中学校夜間中学を見学してきました。
24名の生徒が学び、年齢層は15歳~29歳が8割を占めますが、40歳以上の生徒も一緒に机を並べていました。日本人の在籍は少数で、国籍は日本でもルーツを辿ると外国の方が多く、ネパール、カンボジア、、フィリピン、中国、韓国など国際色豊かな環境で授業が行われていました。
授業の様子も見学。アクティブラーニングが打ち出される前から生徒同士が教え合う学び合いが実践されていました。
日本語が苦手な生徒は取り出して対応。意味が変わる言葉などを冊子にして教師が教材を手作りしていました。言葉は違ってもありのままを受け入れる本来のインクルーシブ教育がここには存在すると感じました。学びたい気持ちが自信に変わり、生きる力を着実に増やしていく手法が随所にありました。心ある大人の見守りがあることで、平成28年度は100%高校(通信制含む)進学と就職の実績につながっています。
今、東村山市でも不登校は増加傾向にあります。文科省が不登校対策として「教育機会確保法」が成立し、学校に戻ることに特化せず、新たな学ぶ場フリースクールなども出席の対象としました。
それぞれの子ども達の学ぶ権利が公平に確保され、国籍、貧困、障がいなどを理由に学ぶ場が狭められることのないようにと思っています。働きながらでも通うことができる夜間中学はともに学ぶ楽しさを生徒の輝く目が教えてくれていました。今回の視察で得た成果と課題を今後の政策に生かしていきます