8/19京都市の先駆的「空き家対策事業」成功事例を視察

「空き家の利活用で住みたい、住み続けたいまちづくりを」

空き家対策を先駆的に進めている京都市を視察に行ってきました。
京都市の11.4万戸が空き家。日本の平均が13.5%に対し、京都市の空き家率は、それより高い14.0%あります。戸建ての空き家の実態は、市場に流通しているのは、5%、流通していないのは、95%(倉庫・形式的倉庫24%、放置71%)にメスを入れていくべきとの結論に至りました。

市場に出ない空き家の事情は、所有者は、高齢者(60歳以上)が多く、建物が古く改修に費用がかかる。
相続など様々あるが、信頼して相談できる人がいないことが最大の問題でした。

京都の空き家の特徴は、京町屋が多数を占め、古いものへの愛着がある。
古い既存住宅ほど、伝統的・手仕事的な技術と良い材料が使用されている。

各学区ごとに、地域の空き家対策実行委員会が設置され、京都市がバックアップ。地元の自治会・町内会・関連団体が横の連携を取り、空き家情報の把握、活用・維持管理の取り組みを行い、総合的なコンサルティング体制として、身近な不動産業者を「京都市地域の空き家相談員」として登録、現地に赴き、空き家活用のアドバイスも行っています。

実際、空き家を地域資源として利活用している粟田地区を見て回りました。近くに知恩院や平安神宮もある京町屋の風情がふんだんに散りばめられてた場所でした。空き家を一日一客の宿に・土蔵を旅行会社のオフィスに・空き店舗をカフェなどにリノベーションされた街並みは、景観条例もあるので、色も趣きのある落ち着いた色調で、なにより川や橋などが京町屋をより引き立て羨ましい限りでした。価値ある資源の成功例と言えます。案内してくださったのは、ボランタリーな市民の方で、このようにまちに愛着を持ち、知識も持たれたかたが支えていることもわかりました。

東村山市でも、空き家等対策協議会が立ち上がっています。市内で600件の空き家を確認し、空き家率は、9.9%です。空き家をまちの価値ある資源として活用するため今回の京都市の成功事例を生かしていきたいと思います。
協議会を傍聴し、東村山市の空き家に関する条例がどのようなものになっていくのか、注視していきます。